映画のダウンロード、完了するまで何してますか?
ただボーッと待つ?それともアプリを閉じて別のことをする?
Daily UI #076では、そんな「待ち時間」を「鑑賞への準備時間」に変える、映画配信アプリのローディングUIを制作しました。
題材はSF映画『THE EVENTIDE PROTOCOL』。
横画面に特化した没入型のダウンロード画面です。
「読み込み中」や「ダウンロード中」といったローディング画面は、
ユーザーにとって最もストレスがかかる瞬間の一つです。
特にデータ容量の大きい「映画」のダウンロードでは、
数分単位の待ち時間が発生します。
この空白の時間を、いかに「退屈な作業」から「鑑賞への準備」へと
昇華させるか。
今回はSF映画『THE EVENTIDE PROTOCOL』を題材に、
横画面(ランドスケープ)特化型の映画ダウンロードUIを制作しました。
この記事では、制作した画面をもとに、情報の優先順位、色彩心理、
そしてユーザーの行動を促すUXライティングについて詳しく解説します。
1. コンセプト設計:ランドスケープ・ファーストの追求
1-1. なぜ横画面(ランドスケープ)なのか?
動画配信アプリの多くは、視聴時に端末を横向きにします。
では、なぜダウンロード画面まで横向きにしたのか?
画面をご覧ください。明確な理由があります。
視聴体験へのシームレスな移行:
ダウンロードが完了した瞬間、ユーザーは持ち方を変えることなくすぐに再生を開始できます。没入感の先行体験:
映画の画角(16:9等)に合わせたレイアウトにすることで、
アプリ操作中から映画の世界観に浸ってもらうことを意図しています。
一般的な縦画面UIとの違い
多くのアプリは縦画面でダウンロード管理を行います。
しかし、映画という「横長コンテンツ」をダウンロードする際、
縦画面では体験の一貫性が損なわれます。
横画面にすることで:
・映画の画角(16:9)を活かしたアートワーク表示
・プログレスバーを横長に大きく表示できる
・視聴開始時の持ち替え不要
このように、コンテンツの特性に合わせたレイアウトが重要です。
1-2. ターゲットと利用シーン
ターゲット:
移動中やオフライン環境で映画を楽しみたい、映画ファン。シーン:
旅行前や通勤前など、短時間で確実にダウンロードを完了させたい状況。
2. ビジュアルデザインの解剖:視覚的な安心感を与える工夫
実際の完成画面に基づき、デザインの意図を紐解きます。

2-1. カラーパレットと暗所への配慮
画面全体には、映画視聴の標準であるダークモードを採用しました。
ダークモードの採用:
画面全体には、映画視聴の標準であるダークモードを採用しました。
深いグレー(#292929)の背景は、夜間のベッドや暗い機内でも目を疲れさせません。オレンジのアクセントカラー:
ダウンロードの進捗バーや一時停止ボタンには、エネルギッシュなオレンジを採用。
ダーク背景の中で最も視認性が高く、「アクティブに動作している」ことを強調します。
2-2. 情報の階層化:何を一番知りたいか?
ユーザーがこの画面で最も知りたいのは「あとどれくらいで終わるか」です。
タイトルとスペック:
左上にアートワーク、その横に大きくタイトルを配置。
さらに「再生時間:90分」「解像度:4K」と明記することで、
自分がこれから楽しむコンテンツの「質と量」を再確認させ、
期待感を煽ります。プログレスバーの存在感:
画面中央を横断する太いバーは、現在の進捗をダイレクトに伝えます。
バーの左側には「45%」という達成率、右側には「あと3分」という残時間を配置。
この「数値」と「時間」の両面表示が、ユーザーの不安を解消する鍵となります。
3. インタラクション設計:ユーザーに「支配権」を与える
ローディング中のストレスの原因は「何もできない(待つしかない)」という無力感にあります。
3-1. コントロール機能の実装
画面下部には、ダウンロードを管理するためのボタンを配置しました。
一時停止ボタン(オレンジ):
通信環境が不安定になった際や、他の通信を優先したい時に、
ユーザー自身がコントロールできる安心感を与えます。キャンセル(×)ボタン:
誤操作や予定変更に対応するためのエスケープルート。
いつでも中断できる自由を保証します。
3-2. 回遊性を高めるマイクロコピー
画面下部の「ダウンロード中も、別の作品をさがせます」という一文に注目してください。この短いコピーが、実は重要な役割を果たします。
離脱の防止:
「待つこと」に飽きたユーザーを、SNSなど他のアプリへ逃がすのではなく、アプリ内の別コンテンツへと誘導します。バックグラウンド動作の保証:
ダウンロードが安全に継続されることを暗に伝え、
ユーザーを自由な探索へと促します。
4. 検索エンジンとAIに評価される設計思想
現代の検索エンジンやAI検索は、ユーザーの「目的達成」を重視します。このUIの強みは以下の通りです。
具体的な数値情報:
「4K」「90分」「あと3分」といった具体的な数値は、
ユーザーが次の行動を判断する材料になります。
「あと3分なら移動の準備をしよう」といった計画が立てられます。多角的な進捗表示:
ダウンロードの進捗を、視覚的(バー)・数値的(45%)・時間的(3分)に示すことで、
ユーザビリティとアクセシビリティの基準を満たしています。
5. まとめ:ローディングは「対話」である
Daily UI #076「Loading」の制作を通じて再確認したのは、
ローディング画面は単なる「待ち時間」ではなく、
ユーザーとアプリの「対話の時間」であるということです。
今回のデザインで重視した3つのポイントは以下の通りです。
1. 横画面特化の没入型レイアウト
視聴体験へシームレスに移行できる設計
2. 「あと何分」を明示する進捗表示
数値・時間・ビジュアルの三重フィードバックで不安を解消
3.待ち時間をポジティブに変える提案
「別の作品を探せます」というコピーで、待ち時間を探索時間へ
優れたUIは、ユーザーをただ待たせるのではなく、
次の体験に向けて優しく背中を押すものであるべきだと私は考えます。
次のステップ:さらなる進化のために
このUIを実際の製品に組み込むなら、以下の機能を検討したいと考えています。
スケルトンスクリーン:
リスト画面に戻った際、ダウンロード中の作品がどこにあるか一目でわかるプレースホルダーを表示。※スケルトンスクリーン:
コンテンツ読み込み中に表示される、実際のレイアウトを模した仮の表示完了後のオートプレイ提案:
ダウンロード完了と同時に「今すぐ観ますか?」というポップアップで、
スムーズに視聴へ誘導。。触覚フィードバック(Haptics):
完了の瞬間にデバイスが心地よく振動し、ユーザーに確かな終了感を届ける。※Haptics(ハプティクス):
触覚フィードバック、デバイスの振動による通知
皆さんは、長いダウンロード時間にどんな「おもてなし」があったら嬉しいですか?
ぜひコメントで意見をお聞かせください!
では、またね~







