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夜空を見上げたとき、「宇宙はどうやって始まったのだろう」と考えたことはありませんか。
40代・50代になると、時間の流れや自分の存在の意味について、ふと深く考える瞬間が増えてきます。

実は、宇宙論の歴史もまた、「宇宙とは何か」を問い続けてきた300年の物語です。
しかもその過程では、ニュートンの「完璧な機械の宇宙」が、アインシュタインによって揺さぶられ、
さらに量子力学によって「世界は曖昧かもしれない」と考え直されてきました。

今回は、数式を使わずに、ニュートンからアインシュタイン、そして量子力学までの流れを、
ひとつの物語としてやさしくたどっていきます。
最後には、なぜホーキングが必要になったのかまでつなげていきます。

夜空を見上げた時、ふと思うことはありませんか。

「宇宙って、いったい何なんだろう?」

若い頃はあまり考えなかったのに、40代・50代になると、
不思議とこういう問いが気になり始める。

時間の流れ。偶然と必然。自分がここにいる意味。

実は、現代宇宙論も同じ問いを200年以上考え続けています。
しかも面白いことに、

宇宙の考え方は、時代ごとに「常識がひっくり返る革命」
を繰り返してきた

のです。

今回は、

「宇宙は神の時計のように考えられていた時代」から、「世界は曖昧だった」という量子力学まで

を、数式なし・専門知識ゼロで、物語として解説します。

そして最後に、

なぜホーキングが必要になったのか

までつなげます。

宇宙は「神が作った時計」だった

17世紀まで、人類は宇宙をこう考えていました。

宇宙は神が作った秩序ある世界

です。

太陽が昇り、月が満ち欠けし、季節が巡る。
そこには美しい規則性がありました。

しかし、

「なぜそう動くのか?」

は分かっていなかった。
そこに現れたのが、Isaac Newtonです。

ニュートンは世界をひっくり返します。

リンゴが落ちる。
月が地球を回る。

一見まったく別の現象。でもニュートンは言いました。

「同じ法則で説明できる」

と。

つまり、

宇宙は巨大な機械だ

という考え方。
まるで精密時計です。
ゼンマイを巻けば、決まった通り動く。
未来も予測可能。
過去も計算できる。

もし宇宙の全部の情報が分かれば、

未来も完全予測できる

という発想でした。
当時としては革命です。
現代で言えば、「世界を動かしているOSを発見した」くらいの衝撃。

この考え方は大成功し、約200年間、人類はこう信じます。

宇宙は完璧な機械である

と。

しかし、この「完璧な世界」を壊す人物が現れます。

アインシュタインが“時間”を壊した

20世紀初頭。物理学者たちは困っていました。
ニュートン理論では説明できない現象が出てきた。

特に問題だったのが、

です。
光だけ、どうしても説明が合わない。

そこで登場したのが、Albert Einstein。
26歳の若手研究者でした。

彼はとんでもないことを言います。

時間は絶対じゃない

え?
と思いますよね。
普通、時間はみんな同じです。
あなたの1分も、私の1分も同じ。
そう思っています。

でもアインシュタインは、

人によって時間の進み方が違う

と言った。

例えば、
超高速ロケットに乗る人。
地球に戻ると、

自分は5年
地球は50年

ということが理論上起きる。
これはSFではありません。
実際にGPSでも補正されています。

つまり、

時間はゴムみたいに伸び縮みする

のです。
ここで世界観が崩れます。
ニュートン世界では、
時間は絶対。
宇宙の背景にある「神の時計」でした。

しかしアインシュタインは、

時間そのものが宇宙の一部

だと言った。

もっと言うと、

空間と時間はセット

です。
「空間」と「時間」をまとめて、

時空(じくう)

と考えます。

さらに衝撃だったのが、

重力の正体

でした。

重力は「引っ張る力」ではなかった

アインシュタインは、重力を空間のゆがみとしてとらえ直しました。

ニュートン:

地球が月を引っ張る

アインシュタイン:

違う。

空間が曲がっているだけ。

です。

例えるなら、
大きなボウリング球をベッドに置く。
シーツが沈む。
そこへ小さなボールを転がすと、吸い寄せられるように見える。

でも実際は、

曲がった面を転がっているだけ

ですよね。
これが重力。

つまり、

重力=空間のゆがみ

だった。
ここで宇宙論は一気に変わります。

なぜなら、

空間そのものが変化する

なら、

宇宙も動くはず

だから。

ここで大問題。

宇宙は静止できなかった

当時の常識は、

宇宙は永遠に存在している

でした。
始まりも終わりもない。
ずっと昔から同じ。

しかし、
アインシュタイン方程式を解くと、
宇宙が安定しません。
縮むか、膨らむか。
止まれない。

でも当時、「宇宙が動いている」なんて誰も思っていなかった。

なのでアインシュタインは、

“宇宙が静止するための調整”

を数式に入れます。

後に彼自身が、

人生最大の失敗

と呼ぶことになります。

なぜか。
1929年、
Edwin Hubble が発見します。
宇宙は本当に膨張していた。
遠くの銀河ほど速く遠ざかる。

つまり逆再生すると、

昔は全部近かった

ということ。
さらに逆再生。
さらに。
さらに。
最後は?

宇宙に始まりがあった?

ここで、

ビッグバン宇宙論

が生まれます。宇宙論最大の革命です。
でも問題が残った。

「始まり」の瞬間が説明できない

もし宇宙に始まりがあるなら、

その最初は何だった?

という疑問が出ます。
ところが、
アインシュタイン理論では、宇宙の始まりに近づくほど、
計算が壊れます。
無限大。
説明不能。

これを

特異点(singularity)

と呼びます。
つまり、

「ここから先は分かりません」

という物理の限界。
宇宙誕生0秒地点が、説明不能だった。ここで必要になったのが、
もう一つの革命です。

世界は“曖昧”だった

20世紀物理学のもう一つの衝撃。

量子力学

です。
これは、超ミクロ世界のルール。
電子や原子レベル。
そして、常識を完全に壊します。

ニュートン世界:

原因があれば結果が決まる

量子世界:

最初から決まってない

え?
となります。

例えるなら、
サイコロ。
普通は、出目は決まっていて、私たちが知らないだけ。

でも量子世界では、

出る数字自体が未決定

なんです。有名な言葉があります。
Albert Einstein は怒りました。

「神はサイコロを振らない」

世界はもっと秩序的だ、と言いたかった。
しかし実験は、量子力学が正しいことを示していきます。

つまり、

宇宙の根本は曖昧だった

のです。

ここで問題。
宇宙誕生直後は、超高密度。超極小。

つまり、

量子世界

です。

しかし、宇宙全体は重力支配。

つまり、

アインシュタインの世界

でもある。
ところが、この2つが仲悪い。
計算すると破綻。

つまり、

宇宙誕生だけ説明できない

のです。
ここで登場するのが、一人の物理学者。

ここまでで、宇宙の見方は大きく3回ひっくり返されました。
ニュートンが「宇宙は巨大な機械だ」と示し、
アインシュタインが「時間と空間は変わる」と教え、
量子力学が「世界は思ったより曖昧だ」と突きつけたのです。

しかし、宇宙の「始まり」だけは、まだ完全には説明できません。
その最後の難問に挑むために、次回はホーキングの世界へ進みます。
ブラックホール研究から、宇宙誕生の謎に迫る後編で、その続きを見ていきましょう。

前編まとめ:なぜホーキングが必要になったのか

ここまでの流れを超簡単に言うと、

ニュートン

宇宙=完璧な機械

アインシュタイン

時間は壊れた
空間も曲がった

ビッグバン

宇宙に始まりがある?

量子力学

世界は曖昧だった

大問題

始まりだけ説明できない

だから人類は考えます。

重力(アインシュタイン)と量子(量子力学)を合体できないか?

ここで登場するのが、次回の主人公、Stephen Hawking。

彼は、

「宇宙の始まり」を説明できるか

に人生を賭けます。

そしてブラックホール研究から、
現代宇宙論を大きく変えていくことになります。

(後編へ続く)

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