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40代は株式65%、50代は50%──『ウォール街のランダム・ウォーカー』年齢別・最適資産配分の完全ガイド

40代は株式65%、50代は50%──『ウォール街のランダム・ウォーカー』年齢別・最適資産配分の完全ガイド

シルスプのブログにようこそ

前回、『ウォール街のランダム・ウォーカー』が教える心穏やかな投資について書きました。

記事を公開した後、こんな質問をいただきました。

「インデックス投資が良いのは分かった。でも、具体的に株式と債券をどんな比率で持てばいいの?」
「40代と50代で配分を変えるべき?」
「一度決めたら、そのままでいいの?」

今日は、これらの疑問にすべて答えます。

バートン・マルキールが『ウォール街のランダム・ウォーカー』で
提示している「ライフサイクル投資術」の具体的な資産配分を、
実践的な計算シートとともに解説します。

この記事を読めば、今日から自分に最適なポートフォリオを組めるようになります。

目次
  1. なぜ「年齢」が資産配分の決定要因になるのか
  2. 40代の資産配分モデル──株式65%の攻めと守りのバランス
  3. 50代の資産配分モデル──守りを固める債券35%
  4. 資産の多様化──不動産(REIT)を混ぜる重要性
  5. 年に一度の「リバランス」こそが、リターンを最大化させる
  6. リバランスでよくある失敗
  7. 自分でリバランスを行うための「計算シート」の作り方
  8. 今日から始める3つのステップ
  9. まとめ:年齢という「尺度」で、最適な資産配分をデザインする
  10. おすすめの書籍

なぜ「年齢」が資産配分の決定要因になるのか

マルキールの戦略の根幹は、
「リスクを取れる能力は、残された時間に比例する」
という考え方です。

20代なら、暴落しても回復を待つ時間が十分にあります。
しかし、リタイアが迫る50代以降は、大きな資産の目減りが生活基盤を
揺るがす致命傷になりかねません。

そこで本書が推奨するのが、年齢を重ねるごとにリスク資産(株式)の割合を減らし、
安定資産(債券)の割合を増やしていく「ライフサイクル投資術」です。

投資は「動的なプロジェクト」である

重要なのは、投資は「一度決めて終わり」ではないということです。

自分のライフステージという変化する現実に合わせて、
ポートフォリオを動的に調整していくプロジェクトなのです。

マルキールが示す基本的な考え方:

株式比率 = 110 – 年齢

例:

  • 40歳:110 – 40 = 70%(株式)
  • 50歳:110 – 50 = 60%(株式)
  • 60歳:110 – 60 = 50%(株式)

この簡易式を基本に、個人の状況に応じて調整します。

40代の資産配分モデル──株式65%の攻めと守りのバランス

働き盛りで収入も安定している40代は、
まだ長期的な視点でリスクを取れる時期です。
マルキールが提示する標準的な配分は、株式を約65%に据える構成です。

【40代の資産配分モデル】

アセットクラス配分比率役割具体例
株式
(国内・海外)
65%成長のエンジンeMAXIS Slim 全世界株式
債券20%暴落時の下落を
抑える
eMAXIS Slim 国内債券インデックス
不動産(REIT)10%インフレ対策ニッセイ J-REITインデックスファンド
現金・キャッシュ5%機動的な予備資金銀行預金、MRF

なぜこの配分なのか?

株式65%:
まだ15〜20年の運用期間があるため、世界経済の成長を取りに行く

債券20%:
暴落時のクッション。株式が30%下落しても、全体では約20%の下落に抑えられる

REIT 10%:
株式・債券とは異なる値動きで分散効果を高める

現金5%:
急な出費や絶好の買い場に対応できる機動力

ビジネスでも「選択と集中」が重要ですが、投資においては「分散」が最大の武器。
40代は、この65%の株式を世界中に散らして、世界経済の成長を確実に取りに行くフェーズです。

50代の資産配分モデル──守りを固める債券35%

50代に入ると、運用期間の短縮とともに「守り」の意識を強める必要があります。
マルキールが推奨するのは、株式の比率を50〜55%程度まで落とし、
債券を30%以上に増やすモデルです。

【50代の資産配分モデル】

アセットクラス配分比率役割具体例
株式
(国内・海外)
50%限定的な成長eMAXIS Slim 全世界株式
債券35%安定性の確保eMAXIS Slim 国内債券インデックス
不動産(REIT)10%インフレ対策ニッセイ J-REITインデックスファンド
現金・キャッシュ5%機動的な予備資金銀行預金、MRF

なぜ50%まで下げるのか

それは、リタイア直前に市場の暴落に直面しても、
資産の半分が安定した債券やキャッシュであれば、
精神的なパニックを防ぎ、生活水準を維持できるからです。

具体例: 総資産1,000万円の場合

  • 株式50%(500万円)が30%下落 → 350万円(-150万円)
  • 債券35%(350万円)は変動なし
  • REIT・現金15%(150万円)は小幅変動
  • 全体では約15%の下落に抑えられる

40代の頃よりも「負けないこと」に重きを置くのが、この世代の知的な戦略となります。

資産の多様化──不動産(REIT)を混ぜる重要性

本書の配分例で注目すべきは、「不動産(REIT)」
常に一定の割合で組み込まれている点です。

REITとは?

REIT(リート:不動産投資信託)は、オフィスビルやマンション、商業施設などに投資する金融商品です。

多くのビジネスパーソンは「株と債券」だけで満足しがちですが、
マルキールは、不動産は株式や債券とは異なる相関関係を持って動くため、
ポートフォリオ全体の分散効果を高めると説いています。

REITを入れるメリット

1. 分散効果
株式市場が不調でも、不動産市場は好調ということがある

2. インフレ対策
インフレ局面では、現金の価値が目減りする一方で、不動産は価値を維持しやすい

3. 安定収入
REITは賃料収入を分配金として還元するため、定期的なキャッシュフローが得られる

40〜50代のポートフォリオに10%程度のREITを加えることは、
資産に「厚み」を持たせ、不測の事態に強い構造を作るための優れた戦術です。

具体的なファンド例:

  • ニッセイ J-REITインデックスファンド
  • eMAXIS Slim 国内リートインデックス
  • たわらノーロード 国内リート

年に一度の「リバランス」こそが、リターンを最大化させる

比率を決めて投資を始めると、
必ず「値上がりした資産」と「値下がりした資産」が出てきます。

放置すると、当初決めた65:35の比率が、いつの間にか80:20に崩れてしまうこともあります。

ここで重要になるのが「リバランス」(ポートフォリオを元の比率に戻す調整作業)です。

リバランスの基本原則

増えすぎた資産(高くなったもの)を売る → 利益を確定する

減りすぎた資産(安くなったもの)を買う → 安く仕込む

この単純な作業を機械的に行うことで、
結果として「高値で売り、安値で買う」という投資の理想を自動的に実行できます。

リバランスのベストタイミング

マルキールは年1回のリバランスを推奨していますが、
具体的にはいつが良いのでしょうか?

おすすめのタイミング:

  1. 誕生日 – 覚えやすく、年齢による配分変更も同時にチェックできる
  2. 年末年始 – 1年の区切りとして自然
  3. 決算期 – 会社の決算と同じタイミング

臨時リバランスを検討すべき場合:

  • 目標比率から±5%以上ズレた場合
  • 大きな市場変動(暴落・暴騰)があった場合

ビジネスの進捗管理と同様に、1年に一度、例えば誕生日にポートフォリオをチェックする。この規律こそが、ランダムな市場を歩き抜くための最強の習慣です。

リバランスでよくある失敗

実践する際に陥りがちな失敗例を知っておきましょう。

❌ 失敗1:感情に任せて調整する

「株が下がったから怖い。もっと債券を増やそう」

→ ルールを無視すると、目標配分の意味がなくなります。
暴落時こそ、機械的にリバランスを実行すべきです。

❌ 失敗2:頻繁にリバランスしすぎる

毎月チェックして調整

→ 売買コストと税金で利益が減ります。年1回で十分です。

❌ 失敗3:リバランスを全くしない

10年放置した結果、株式90%に

→ 想定以上のリスクを取ることになり、暴落時に耐えられなくなります。

⭕ 正解:年1回、機械的に、ルール通りに実行する

感情を排除し、淡々と実行する。これがリバランスの極意です。

自分でリバランスを行うための「計算シート」の作り方

理論は分かったけれど、「実際にどう計算すればいいの?」という声をよく聞きます。

ここでは、Excel または Googleスプレッドシートで作れる、具体的な計算シートの作り方を紹介します。

このシートを使えば:
✅ 現在の資産配分が一目で分かる
✅ 目標配分との差が自動計算される
✅ いくら売買すればいいかが分かる

【ステップ1】シートの基本構造を作る

まず、以下のような表を作ります。

A列B列C列D列E列
資産クラス現在評価額現在比率目標比率調整額

入力例:

資産クラス現在評価額現在比率目標比率調整額
国内株式3,000,00040%
外国株式2,000,00030%
債券3,000,00030%
合計8,000,000100%

【ステップ2】現在比率の計算式を入れる

C列(現在比率)には以下の式を入れます。

= B2 / $B$5

(※B5は合計金額のセル。$をつけることで固定参照になります)

これで、自動的に現在の資産比率が算出されます。

【ステップ3】目標比率の設定(ライフサイクル式)

D列に目標比率を入力します。

年齢に応じた自動計算式を作る場合:

どこかのセル(例:G1)に年齢を入力します。

年齢: 45

株式比率の計算式(例:G2セル):

= 110 – G1

結果:65%

債券比率(例:G3セル):

= 100% – G2

結果:35%

この数字をD列の目標比率に使います。

40代の例(45歳):

  • 国内株式:40%
  • 外国株式:25%
  • 債券:25%
  • REIT:10%

50代の例(55歳):

  • 国内株式:30%
  • 外国株式:20%
  • 債券:35%
  • REIT:10%
  • 現金:5%

【ステップ4】リバランスの「調整額」計算式

E列(調整額)に次の式を入れます。

= ($B$5 * D2) – B2

意味:

  • $B$5 * D2:総資産 × 目標比率 = あるべき金額
  • - B2:現在評価額を引く

結果の見方:

  • プラス → その金額を買い増し
  • マイナス → その金額を売却

これで、「いくら売買すればよいか」が一瞬で分かります。

【ステップ5】リバランス判断の目安を設定する

マルキールは頻繁な売買を推奨していません。
そこで、次のルールを追加すると実践的です。

ルール例:

  • 目標比率から±5%以上ズレたら実行
  • 年1回のみチェック

ズレ判定式(F列に追加):

= ABS(C2 – D2)

これが 0.05(5%)以上なら「要調整」と表示させます。

条件付き書式を使った表示例:

= IF(F2 >= 0.05, “要調整”, “OK”)

【完成イメージ】

資産クラス現在評価額現在比率目標比率調整額ズレ判定
国内株式3,500,00043.8%40%-300,0003.8%OK
外国株式2,500,00031.3%25%-505,0006.3%要調整
債券1,500,00018.8%25%+505,0006.2%要調整
REIT500,0006.3%10%+300,0003.7%OK
合計8,000,000100%100%0

この例では、外国株式を約50万円売却し、債券を約50万円購入すれば、バランスが整います。

【無料テンプレートのダウンロード】

年齢と資産総額を入力するだけで、自動的に最適配分が出るシートを作りました。

📥 ダウンロードはこちら:
👉Lifecycle_Investment_Rebalance_Template(Googleスプレッドシート)

コピーしてご自由にお使いください。

今日から始める3つのステップ

『ウォール街のランダム・ウォーカー』が教える資産配分の極意をまとめます。

ステップ1:自分の年齢に合った配分を知る

40代: 株式65%、債券20%、REIT 10%、現金5%

50代: 株式50%、債券35%、REIT 10%、現金5%

簡易式: 「110 – 年齢 = 株式比率」

この数字はあくまで目安です。リスク許容度は人それぞれなので、以下の要素も考慮してください:

  • 収入の安定性(公務員 vs フリーランス)
  • 他の資産の有無(不動産、退職金など)
  • 家族構成(扶養家族の有無)
  • 性格(心配性 vs 楽観的)

ステップ2:現在の配分をチェックする

今持っている資産を書き出し、現在の比率を計算してみましょう。

チェック項目:

  • ✅ 証券口座の残高
  • ✅ 銀行預金
  • ✅ 個人向け国債
  • ✅ 企業型DC(確定拠出年金)
  • ✅ iDeCo
  • ✅ NISA口座

目標配分と±5%以上ズレていたら、リバランスのタイミングです。

ステップ3:年1回のリバランスを習慣化する

誕生日や年末年始など、決まったタイミングで見直す。

感情に流されず、機械的に実行することが成功の鍵です。

カレンダーに登録しましょう:

  • 「毎年〇月〇日:ポートフォリオ見直し」

この習慣があれば、10年後、20年後に大きな差が生まれます。

まとめ:年齢という「尺度」で、最適な資産配分をデザインする

本記事では、『ウォール街のランダム・ウォーカー』が教える資産配分の極意を解説しました。

ライフステージへの適合:
若いうちは株式多め、年齢とともに債券を増やす

40代の黄金比:
株式65%を主軸に、成長と安定を両立させる

50代の守備固め:
株式を約50%に抑え、暴落耐性を高める

真の分散:
REIT(不動産)を加え、インフレや異なる市場環境に備える

規律のリバランス:
年1回のメンテナンスで、リスクを一定に保つ

投資は、理論を知っているだけでは不十分です。

ご自身の現在の年齢とリスク許容度を照らし合わせ、
まずは現在の資産配分がマルキールのモデルとどれほど乖離しているかを
確認することから始めてみてください。

計算シートを使えば、10分で現状分析が完了します。

今日が、あなたの資産運用を「次のステージ」に進める日になることを願っています。

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では、またね~