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日本の高配当ETFは本当にお得?個別株との違いと自分で組むポートフォリオ戦略

【40代・50代向け】日本の高配当ETFは「ろくなものではない」?自作ポートフォリオ戦略

シルスプのブログにようこそ

老後の資金が心配、年金だけでは不安―
そんな声が40代、50代の間で増えています。
人生100年時代と言われる今、定年後も続く長い人生をどう支えるか。
その答えの一つとして、多くの方が注目しているのが「高配当株投資」です。

高配当株投資の魅力は、保有しているだけで定期的に配当金が受け取れること
です。
銀行預金の金利が低い今、年3〜5%の配当利回りは大きな魅力でしょう。
しかも、株価が多少下がっても配当さえ維持されれば、実質的な収入として
手元に残ります。

では、高配当株に投資する方法として、
ETF(上場投資信託)を買うべきか
それとも個別株を自分で選んで買うべきか
この選択で、将来の資産形成の成果は大きく変わってきます。

「ETFなら簡単で安心」という声もあれば、
「日本の高配当ETFには問題がある」という指摘もあります。
特に、日本の高配当ETFは海外のものと比べて構造上のリスクを
抱えているケースが少なくありません。

このブログでは、高配当ETFと個別株の違いを明確にし、
日本の高配当ETFが持つリスクを具体的に解説します。
そして、初心者の方でも実践できる
「自分で高配当株ポートフォリオを組む方法」
までお伝えします。
資産形成の選択肢を広げ、あなたに合った投資戦略を見つけていきましょう。

高配当ETFと個別株の基本的な違い

高配当投資を始めるとき、まず理解しておきたいのがETFと個別株の違いです。
それぞれの特徴を知ることで、自分に合った投資方法が見えてきます。

高配当ETFとは何か

ETFは複数の株式をパッケージにした金融商品です。
高配当ETFの場合、配当利回りの高い複数の企業の株式をまとめて保有できます。たとえば、一つのETFを買うだけで30社や50社の高配当株に分散投資した
のと同じ効果が得られるわけです。

ETFの最大のメリットは手軽さです。銘柄選びに悩む必要がなく、
一つの商品を買うだけで自動的に分散投資ができます。
運用もプロが行うため、初心者には安心感があるでしょう。

ただし、ETFには信託報酬というコストがかかります。
年0.3〜0.5%程度が一般的ですが、これが長期的には収益を圧迫する要因
になります。また、どの銘柄がどれだけ組み入れられているかは、
ETFの運用方針に従うしかありません。

個別株投資の特徴

一方、個別株投資は自分で銘柄を選んで株式を購入する方法です。
トヨタ自動車、NTT、三菱UFJフィナンシャル・グループなど、
利回りの適した企業の株を直接買います。

個別株の魅力は自由度の高さです。
自分の投資方針に合わせて、好きな企業を好きな比率で組み合わせられます。
信託報酬のような継続的なコストもかかりません
配当金も企業から直接受け取れるため、透明性が高いのも特徴です。

デメリットは、銘柄選びや管理に手間がかかることです。
複数の企業を調べ、財務状況や配当の安定性を確認する必要があります。
また、分散投資をするには、ある程度まとまった資金も必要になるでしょう。

どちらが優れているのか

結論から言えば、どちらが絶対に優れているわけではありません。
手軽さを重視するならETF、コストと自由度を重視するなら個別株です。

ただし、日本の高配当ETFに関しては、次のブロックで詳しく解説する
特有のリスクがあります。安易に「ETFなら安心」と考えるのは危険かも
しれません。
自分に合った選択をするために、それぞれの特性をしっかり理解することが大切です。

日本の高配当ETFが抱えるリスクとは

「ETFなら分散投資になるから安全」と考えている方は多いでしょう。
確かに、米国の高配当ETFなどは優れた商品が揃っています
しかし、日本の高配当ETFには注意が必要な点がいくつかあります。

銘柄の偏りが大きい問題

日本の高配当ETFの多くは、銘柄数は多くても、上位数銘柄に投資額が集中しているケースが目立ちます。
たとえば、あるETFでは上位10銘柄が全体の50%以上を占めることもあります。

これは真の分散投資とは言えません。
特定の企業の業績が悪化したり、減配があったりすれば、
ETF全体のパフォーマンスに大きな影響を与えます。
50社に投資していても、実質的には10社程度に集中投資しているのと
変わらない状態です。

さらに、配当利回りが高い銘柄は、業績不振で株価が下がっている企業である
可能性もあります。
配当利回りは「配当金÷株価」で計算されるため、
株価が下がれば自動的に利回りが上がるからです。
こうした企業は将来的に減配リスクを抱えているかもしれません。

コストの実態を見落としがち

ETFには信託報酬がかかります。
年0.3〜0.5%と聞くと少なく感じるかもしれませんが、
30年間保有すれば約10〜15%のコストになります。
配当利回りが4%だとすると、そのうちの10%以上が手数料で消えていく
計算です。

個別株なら購入時の手数料だけで済みます。
長期保有を前提とするなら、このコスト差は無視できません。

分配金の安定性への懸念

日本の高配当ETFの分配金は、組み入れ銘柄の配当金を原資としています。
しかし、景気後退期には多くの企業が減配に踏み切る可能性があります。

実際、2020年のコロナショック時には、
多くの企業が配当を減らしたり見送ったりしました。
ETFの分配金も大きく減少したケースがあります。
「ETFなら安定している」というイメージは、必ずしも正しくないのです。

具体例で見るリスク

日本の代表的な高配当ETFの一つを見てみましょう。
銘柄数は50社程度ですが、上位10銘柄で約40%を占めています。
その中には、配当利回りが5%を超える銘柄も含まれていますが、
これらの企業の中には営業利益率が低下傾向にある会社もあります。

つまり、高配当という魅力の裏に、業績悪化のリスクが隠れている可能性が
あるのです。
ETFという形で買っているため、こうした個別企業のリスクを見落としがちに
なります。

リスクを理解した上での選択を

日本の高配当ETFが悪いわけではありません。
ただし、「プロが運用しているから安心」「分散されているから安全」と
盲信するのは危険です。

  • どの銘柄に投資しているのか、
  • コストはどれくらいか、
  • 分配金の安定性はどうか。

これらをしっかり確認した上で判断することが大切です。

そして、もし不安があるなら、自分でポートフォリオを組むという選択肢も
検討してみましょう。

自分で日本の高配当株ポートフォリオを組む方法

「自分で銘柄を選ぶなんて難しそう」と思うかもしれません。
しかし、基本的なポイントを押さえれば、
初心者でも質の高い高配当ポートフォリオを組むことができます。
ETFの弱点を補い、自分の投資方針に合った資産形成が可能になります。

銘柄選定の3つの基準

まず、配当利回りだけで銘柄を選ぶのは避けましょう。
本当に大切なのは以下の3点です。

一つ目は、配当の継続性です。
過去10年以上、安定して配当を出し続けている企業を選びます。
増配傾向にある企業ならなお良いでしょう。
企業の配当方針は、IRページで確認できます。

*企業ごとにIRをみるのもいいですが、便利なHPがあります。
IR NABK https://irbank.net/

二つ目は、財務の健全性です。
自己資本比率が40%以上、有利子負債が適正範囲にあることを確認します。
業績が安定していて、営業キャッシュフローがプラスであることも重要です。
これらの情報は、企業の決算短信や有価証券報告書で確認できます。

三つ目は、事業の持続性です。
今後も需要が見込める業種、競争優位性のある企業を選びます。
一時的な高配当ではなく、長期的に配当を出し続けられる力があるかを
見極めます。

分散投資の実践的な考え方

個別株投資でも分散は重要です。
ただし、闇雲に銘柄数を増やせば良いわけではありません。

理想的には、30〜50銘柄程度でポートフォリオを組みます。
これなら管理も現実的で、各企業の状況もフォローできます。

重要なのは、セクター(業種)の分散です。
同じ業種ばかりに投資すると、その業種全体が不調のときに大きな影響を
受けます。
たとえば、金融、通信、エネルギー、消費財、素材など、
異なるセクターに分散しましょう。

一つのセクターが全体の30%を超えないように調整すると、
バランスの良いポートフォリオになります。

具体的な銘柄例とポートフォリオ構築

ここでは、高配当株として人気のある銘柄の例を挙げます
(投資推奨ではありませんので、必ず自分で調べて判断してください)。

金融セクターからは、
三菱UFJフィナンシャル・グループや
三井住友フィナンシャルグループなど、
大手銀行株が配当利回り4%前後で安定しています。

通信セクターでは、
NTTやKDDIが安定配当企業として知られています。
インフラ事業のため、景気変動に強い特徴があります。

商社セクターでは、
三菱商事、
三井物産、
伊藤忠商事などが高配当です。
資源価格の影響を受けますが、事業の多角化が進んでいます。
*現在は利回りが極端に低いので配当利回りに注意です。

エネルギーセクターからは、
ENEOSホールディングスなどがあります。
ただし、エネルギー転換期でもあるため、事業の将来性も確認が必要です。

これらを組み合わせて、
たとえば金融30%、通信20%、商社20%、その他30%といった配分で、
30銘柄程度のポートフォリオを作ります。

投資金額の目安と購入方法

まとまった資金がなくても大丈夫です。
最近は単元未満株(ミニ株)を扱う証券会社が増えており、
数千円から投資できます。

たとえば、月3万円の積立で、毎月1〜2銘柄ずつ購入していけば、
1年で10銘柄以上のポートフォリオが組めます。
一度に全額投資するより、時間分散も図れるため、リスクも抑えられます。

定期的な見直しも忘れずに

ポートフォリオは作って終わりではありません。
年に1〜2回は見直しを行いましょう。

各企業の業績、配当方針の変更がないかを確認します。
減配や業績悪化の兆候があれば、銘柄の入れ替えも検討します。
また、特定の銘柄が値上がりして比率が大きくなりすぎた場合は、
リバランスを行います。

自分でポートフォリオを組むことは、最初は手間に感じるかもしれません。
しかし、ETFのコストを支払い続けることを考えれば、
長期的には大きなメリットがあります。
何より、自分の資産を自分でコントロールできる安心感は、
何にも代えがたいものです。

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実践編 – 初心者が始めるためのステップ

理論はわかったけれど、実際にどう始めれば良いのか。
ここでは、高配当株投資を今日から始めるための具体的なステップを
お伝えします。

証券口座の選び方

まず必要なのが証券口座です。選ぶ際のポイントは以下の通りです。

手数料の安さを確認しましょう。最近は手数料無料の証券会社も増えています。
特に、単元未満株(ミニ株)の手数料が安いかどうかが重要です。
少額から始める場合、手数料負けしないことが大切です。

次に、取り扱い銘柄の豊富さです。
日本株はもちろん、単元未満株での取引が可能な銘柄が多い証券会社を選びます。SBI証券、楽天証券、マネックス証券などが代表的です。

使いやすさも見逃せません。スマホアプリが充実していて、
企業情報や配当情報が見やすいかどうかも確認しましょう。
実際に口座開設前に、各社のアプリやウェブサイトを見比べることを
おすすめします。

投資金額の現実的な目安

「いくらから始めれば良いのか」は多くの方が悩むポイントです。

理想を言えば、月3〜5万円を投資に回せると、バランスの良いポートフォリオが組みやすくなります。
ただし、無理は禁物です。生活費や緊急資金を確保した上で、
余裕資金で始めましょう。

月1万円からでも十分スタートできます。
単元未満株なら、1銘柄数千円から購入できるため、
少額でも複数銘柄に分散投資が可能です。
まずは小さく始めて、慣れてきたら徐々に金額を増やしていく方法が安全です。

最初の3ヶ月でやるべきこと

投資を始めたら、最初の3ヶ月は学習期間と考えましょう。

まず、自分が購入した企業の決算発表を必ずチェックします。
四半期ごとの業績、配当予想の変更がないかを確認する習慣をつけます。
企業のIRページに登録しておけば、メールで通知が来るので便利です。

次に、配当金が実際に振り込まれる体験をします。
最初の配当金を受け取ったときの感動は、投資を続けるモチベーションになります。
たとえ数百円でも、「株を持っているだけでお金が入ってくる」実感は貴重です。

また、株価の変動に慣れることも大切です。
日々の株価を気にしすぎる必要はありませんが、
市場全体の動きと自分のポートフォリオの関係を観察しましょう。

リバランスの具体的な方法

投資を続けていると、株価の上昇により特定の銘柄の比率が高くなることが
あります。これをそのままにしておくと、分散投資の効果が薄れます。

年に1回、各銘柄の比率を確認しましょう。
当初の計画より10%以上比率が高くなった銘柄があれば、
一部を売却するか、他の銘柄を買い増して調整します。

ただし、税金のことも考慮が必要です。
売却すると利益に対して約20%の税金がかかります。
頻繁な売買は税金コストがかさむため、よほど偏りが大きい場合以外は、
新規購入で調整する方が賢明です。

注意すべきポイントと失敗を避けるコツ

最後に、初心者が陥りがちな失敗を避けるポイントをお伝えします。

一つ目は、配当利回りだけで銘柄を選ばないことです。
異常に高い配当利回り(6%以上など)は、株価が大きく下がっているか、
減配リスクが高い可能性があります。3.75〜5%程度の安定した銘柄
中心に選びましょう。

二つ目は、一度に全額投資しないことです。
市場のタイミングを完璧に読むことはできません。
数ヶ月かけて徐々に買い増していく方が、高値掴みのリスクを減らせます。

三つ目は、短期的な株価変動に惑わされないことです。
高配当株投資は長期保有が前提です。株価が10〜20%下がっても、
配当が維持されていれば焦る必要はありません。
むしろ、買い増しのチャンスと考えましょう。

始めるなら今日から

高配当株投資は、早く始めるほど複利効果が働きます。
配当金を再投資することで、雪だるま式に資産が増えていくのです。

完璧なタイミングを待つより、まずは小さく始めてみることが大切です。
証券口座を開設し、最初の1銘柄を購入してみましょう。
その一歩が、10年後、20年後の豊かな配当収入につながります。

あなたの資産形成の旅は、今日から始まります。

【まとめ】自分に合った高配当投資で資産形成を始めよう

高配当株投資は、40代、50代からでも十分に始められる資産形成の方法です。
この記事では、高配当ETFと個別株の違い、日本の高配当ETFが抱えるリスク、
そして自分でポートフォリオを組む具体的な方法をお伝えしてきました。

ETFは手軽さが魅力ですが、日本の高配当ETFには銘柄の偏り、コスト、
分配金の不安定さといった課題があることを理解しておきましょう。
一方で、個別株を自分で選んで投資すれば、コストを抑えながら、
自分の方針に合った資産形成が可能になります。

銘柄選定では、

  • 配当の継続性、
  • 財務の健全性、
  • 事業の持続性

という3つの基準を大切にしてください。
30〜50銘柄程度に分散し、セクターのバランスを考えたポートフォリオを
組むことで、リスクを抑えながら安定した配当収入が期待できます。

投資は特別な才能が必要なものではありません。基本を理解し、少額から始めて、
少しずつ経験を積んでいけば、誰でも自分に合った投資スタイルを見つけられます。

大切なのは、今日から行動を起こすことです。
証券口座を開設し、最初の一歩を踏み出しましょう。
10年後、20年後のあなたが、今日の決断に感謝する日が必ずやってきます。
配当という「金の卵」を育てる喜びを、ぜひ体験してください。

では、またね~