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親が亡くなると銀行口座はどうなる?口座凍結の仕組みと必要な手続き・対策完全ガイド

親が亡くなったら口座が凍結される?知らないと困る銀行手続きと対策完全ガイド

シルスプのブログにようこそ

「父が亡くなって、葬儀の支払いをしようとしたら、銀行口座が凍結されていて引き出せなかった…」

これは、私の知人が実際に経験した話です。

一般的な葬儀費用は内容や規模にもよりますが、おおむね100万〜200万円前後が相場とされています。一般葬では150万円前後になるケースも少なくありません。
 すぐに現金が必要なのに、親の口座からは1円も引き出せない。

慌てて銀行に駆け込んでも、「相続手続きが完了するまで凍結します」と言われるだけ。

結局、自分のクレジットカードで立て替え、その後数ヶ月間、返済に苦しむことになりました。

「親の口座が凍結されるなんて、知らなかった…」

実は、この「知らなかった」が、多くの人を苦しめています。

目次
  1. なぜ、口座凍結が問題なのか?
  2. 口座凍結の仕組みと実態
  3. 口座凍結で困る具体的なケース
  4. 口座凍結を解除する方法(実践編)
  5. 事前にできる対策(予防編)
  6. まとめ:親の口座凍結に備える──知識と準備が家族を守る

なぜ、口座凍結が問題なのか?

親が亡くなっても、銀行が死亡の事実を知るまでは自動では凍結されません。
銀行が「死亡した」という情報を把握した時点で、口座が凍結されます。

凍結されると:

  • 引き出しができない(ATMも窓口も不可)
  • 引き落としができない(光熱費、家賃、ローンなど)
  • 振込ができない(葬儀費用の支払いも不可)

つまり、親の口座は完全に使えなくなります。

40代・50代が直面する「親の高齢化」

40代・50代になると、親の高齢化に直面します。

  • 親の介護
  • 病院の付き添い
  • そして、いつかは来る「その時」

「その時」は、突然やってきます。

準備ができていないと、混乱し、経済的にも精神的にも追い詰められます。

この記事で分かること

今日は、親が亡くなった後の「口座凍結」について、知らないと困る銀行手続きと、事前にできる対策を完全解説します。

この記事で分かること:

  1. 口座はいつ、なぜ凍結されるのか(仕組みの解説)
  2. 凍結されると何ができなくなるのか(具体的な影響)
  3. 葬儀費用や生活費を確保する方法(緊急時の対応)
  4. 凍結を解除する具体的な手順(必要書類と手続き)
  5. 今からできる5つの事前対策(備えあれば憂いなし)

最後まで読めば、「その時」が来ても慌てず、冷静に対応できるようになります。

親の口座凍結は、知識があるかないかで、天と地の差が出ます。

今日から、備えを始めましょう。

口座凍結の仕組みと実態

口座凍結の仕組みを理解する

親が亡くなると、なぜ銀行口座が凍結されるのでしょうか?

まずは、基本的な仕組みを理解しましょう。

銀行が口座を凍結するタイミング

結論:銀行が「死亡の事実」を知った時点で凍結されます。

具体的には、以下のタイミングで凍結されます:

パターン1:家族が銀行に連絡した時

  • 家族が銀行に「死亡した」と連絡
  • 銀行が死亡を確認
  • 即座に口座が凍結

パターン2:銀行が死亡を知った時

  • 新聞の訃報欄を見た
  • 自治体からの通知
  • 他の金融機関からの情報共有

重要:自動的には凍結されません。

「死亡届を出したら自動で凍結される」というのは誤解です。

銀行が知らなければ、凍結されません。

なぜ凍結するのか?

銀行が口座を凍結する理由は、相続トラブルを防ぐためです。

具体的には:

理由1:相続人が複数いる場合

  • 相続人の1人が勝手に引き出すと、他の相続人とトラブルになる
  • 銀行は、公平な相続を守るために凍結

理由2:遺産分割が確定するまで

  • 誰がいくら相続するか、まだ決まっていない
  • 勝手に引き出すと、相続放棄ができなくなる(単純承認とみなされる)

理由3:銀行のリスク管理

  • 後から「無断で引き出された」とクレームが来るのを防ぐ

つまり銀行は、相続人同士のトラブルや後からの紛争を防ぎ、自らの責任リスクを減らすために凍結していると言えます。

凍結されると何ができなくなるのか

口座が凍結されると、以下のすべてができなくなります:

できなくなること:

1. 現金の引き出し

  • ATMでの引き出し:不可
  • 窓口での引き出し:不可
  • 家族でも引き出せない

2. 自動引き落とし

  • 光熱費(電気、ガス、水道)
  • 家賃
  • ローン返済
  • クレジットカードの引き落とし
  • 保険料

→ すべて滞納扱いになる可能性

3. 振込・送金

  • 葬儀費用の支払い
  • 病院への支払い
  • 相続税の納付

4. 口座への入金

  • 年金の振込(停止される)
  • 給与の振込(勤務先に連絡が必要)

つまり、口座は完全に「凍結」されます。

凍結期間の実態

Q. 凍結はいつ解除されるのか?

A. 相続手続きが完了するまで。平均で3〜6ヶ月。

凍結解除までの期間:

  • 最短:1ヶ月(相続人が1人、書類がすべて揃っている場合)
  • 平均:3〜6ヶ月(相続人が複数、遺産分割協議が必要な場合)
  • 最長:1年以上(相続人間でトラブルがある場合)

つまり、数ヶ月間は口座が使えないと考えるべきです。

よくある誤解

誤解1:「死亡届を出したら自動で凍結される」

× 誤り

死亡届を市役所に出しても、銀行には自動で通知されません。

銀行が知らなければ、凍結されません。

ただし、銀行が後から知った場合、遡って凍結されるリスクがあります。

誤解2:「家族なら引き出せる」

× 誤り

たとえ配偶者でも、子どもでも、凍結された口座からは引き出せません。

キャッシュカードと暗証番号があっても、ATMでエラーになります。

誤解3:「少額なら引き出せる」

× 誤り(例外あり)

原則として、1円も引き出せません。

ただし、2019年の法改正で、「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」ができました。

これは後ほど詳しく解説します。

重要ポイント

口座凍結は、銀行が「死亡の事実」を知った時点で発動します。

凍結されると、数ヶ月間は一切使えなくなります。

この事実を知っているかどうかで、「その時」の対応が変わります。

次のブロックでは、口座凍結で実際に困るケースを見ていきましょう。

口座凍結で困る具体的なケース

「知らなかった」では済まされない

口座凍結の仕組みは分かりました。

では、実際にどんな困りごとが起きるのでしょうか?

リアルなケースを見ていきましょう。

ケース1:葬儀費用が払えない

最も多いトラブルがこれです。

田中さん(52歳・会社員)の体験談

父が突然亡くなりました。

葬儀社との打ち合わせで、見積もりは200万円。

「父の口座から払えばいい」と思っていたら、
銀行に行くと「口座は凍結されています」と。

手元の現金は30万円しかなく、
結局、自分のクレジットカードで立て替え。

翌月、カードの支払いで生活費が圧迫され、
貯金を切り崩すハメに…

葬儀費用の内訳

一般的な葬儀の費用:

  • 葬儀一式:約120万円
  • 飲食接待費:約30万円
  • 宗教者へのお布施:約50万円

合計:約200万円

この200万円を、いきなり自己負担するのは、かなり厳しいです。

問題点

  • 葬儀は「待ったなし」
  • 現金がないと、葬儀ができない
  • クレジットカードの限度額を超えることも

結論:葬儀費用の確保が、最大の課題です。

ケース2:生活費の引き落としができない

山田さん(48歳・主婦)の体験談

母が亡くなり、口座が凍結。

母の口座から、光熱費や家賃が引き落とされていたのですが、
すべて滞納扱いに。

電気会社から「未払い」の通知が来て、
慌てて自分の口座に変更しましたが、
手続きに1ヶ月かかりました。

その間、延滞料金も発生…

引き落としができなくなるもの

口座凍結で影響を受ける引き落とし:

  • 光熱費(電気、ガス、水道)
  • 家賃
  • 住宅ローン
  • クレジットカードの支払い
  • 生命保険料
  • 携帯電話料金

すべて滞納扱いになり、延滞料金が発生します。

対策

  • 引き落とし口座を速やかに変更
  • 各社に連絡し、事情を説明
  • 一時的に現金払いに切り替え

ただし、手続きには時間がかかります。

ケース3:相続税の納付期限に間に合わない

佐藤さん(55歳・自営業)の体験談

父の遺産は5,000万円。

相続税の納付期限は、死亡から10ヶ月以内。

でも、口座凍結で現金が引き出せず、
相続税が払えない。

税務署に相談したら、
「延納」や「物納」の手続きを勧められましたが、
手続きが複雑で、税理士に依頼することに。

結局、税理士費用も含めて、予想外の出費…

相続税の問題

相続税の納付期限:

  • 死亡から10ヶ月以内

問題点:

  • 口座凍結で現金が用意できない
  • 納付が遅れると、延滞税がかかる(年14.6%)

対策:

  • 生命保険金で納付(受取人が指定されていれば、相続財産ではない)
  • 延納・物納の手続き
  • 事前に現金を準備しておく

実際のトラブル事例

事例1:兄弟間のトラブル

父が亡くなり、長男が勝手にキャッシュカードで引き出し。

他の兄弟が「勝手に引き出した」とトラブルに。

結局、弁護士を入れて調停になり、
解決まで2年かかった。

教訓:勝手に引き出すと、トラブルの元。

事例2:葬儀費用の立て替えで借金

母が亡くなり、葬儀費用200万円を
消費者金融で借りて立て替え。

その後、相続手続きが長引き、
借金の返済が滞り、利息が膨らんだ。

教訓:借金で立て替えるのは危険。

口座凍結で困ること(まとめ)

主な困りごと:

  1. 葬儀費用が払えない(平均200万円)
  2. 生活費の引き落としができない(滞納扱い)
  3. 相続税の納付期限に間に合わない(延滞税)
  4. 兄弟間のトラブル(勝手な引き出し)
  5. 予想外の出費(立て替え、借金)

これらすべて、事前の備えで防げます。

次のブロックでは、口座凍結を解除する具体的な方法を解説します。

口座凍結を解除する方法(実践編)

凍結された口座を解除するには?

口座凍結で困る事例を見てきました。

では、実際に凍結された口座を解除するには、どうすればいいのでしょうか?

具体的な手続きを、ステップ・バイ・ステップで解説します。

解除方法は2つ

口座凍結を解除する方法は、大きく分けて2つあります。

方法1:正式な相続手続き

  • すべての相続人が合意
  • 遺産分割協議書を作成
  • 銀行に提出して解除

期間:3〜6ヶ月

方法2:遺産分割前の払戻し制度(2019年新設)

  • 相続人の1人が単独で請求
  • 限度額あり(後述)
  • 緊急時の対応

期間:1〜2週間

まずは、方法2(緊急対応)から解説します。

方法2:遺産分割前の払戻し制度(緊急対応)

2019年7月の法改正で、**「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」**が新設されました。

これは、葬儀費用などの緊急出費に対応するための制度です。

払戻し可能な金額

相続人1人あたりの払戻し上限は、
「相続開始時の預貯金残高 × 1/3 × その人の法定相続分」となり、
さらに 1つの金融機関ごとに150万円が上限 です。

具体例

ケース:父が亡くなり、預金が900万円。相続人は子ども3人。

計算:900万円 × 1/3 × 1/3(法定相続分)= 100万円

各相続人は、100万円まで引き出せます。

必要書類

払戻し制度を使う際の必要書類:

  1. 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  2. 相続人全員の戸籍謄本
  3. 払戻しを希望する相続人の印鑑証明書
  4. 本人確認書類(運転免許証など)

※銀行によって異なる場合があるため、事前に確認してください。

手続きの流れ

ステップ1:銀行に連絡

  • 「遺産分割前の払戻し制度を使いたい」と伝える

ステップ2:必要書類を準備

  • 戸籍謄本、印鑑証明書など

ステップ3:銀行窓口で申請

  • 書類を提出
  • 審査(1〜2週間)

ステップ4:払戻し

  • 指定した口座に振込、または現金で受取

注意点

注意1:一度しか使えない

  • 最初に引き出した金額が上限
  • 追加で引き出すことはできない

注意2:相続放棄に影響する可能性

  • 払戻しを受けると、「単純承認」とみなされる可能性
  • 相続放棄を検討している場合は、慎重に

注意3:他の相続人とトラブルになる可能性

  • 勝手に引き出すと、「使い込んだ」と疑われる
  • 事前に他の相続人に相談するのがベター

方法1:正式な相続手続き(本格対応)

次に、正式な相続手続きで口座凍結を解除する方法を解説します。

必要書類リスト

基本的な必要書類:

  1. 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  2. 相続人全員の戸籍謄本
  3. 相続人全員の印鑑証明書
  4. 遺産分割協議書(相続人全員の実印押印)
  5. 本人確認書類(運転免許証など)

※遺言書がある場合は、遺言書も必要

戸籍謄本の取得が大変

戸籍謄本は、「出生から死亡まで」のすべてが必要です。

問題点:

  • 本籍地が複数ある場合、各市町村で取得が必要
  • 郵送でも取得できるが、時間がかかる(1〜2週間)
  • 手数料がかかる(1通450円)

対策:

  • 法務局の「法定相続情報証明制度」を利用
  • これは、戸籍謄本の束を1枚の証明書にまとめる制度
  • 無料で取得でき、複数の銀行で使い回せる

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書とは:

  • 相続人全員が「誰が何を相続するか」を合意した書類
  • 相続人全員の実印押印が必要

作成の流れ:

ステップ1:相続人全員で協議

  • 誰が何を相続するか決める

ステップ2:協議書を作成

  • 司法書士に依頼するのが一般的(費用:3〜10万円)

ステップ3:相続人全員が署名・押印

  • 実印を押印
  • 印鑑証明書を添付

銀行での手続き

ステップ1:銀行に連絡

  • 「相続手続きをしたい」と伝える

ステップ2:銀行から書類をもらう

  • 「相続届」など

ステップ3:必要書類を準備

  • 戸籍謄本、遺産分割協議書など

ステップ4:銀行窓口で提出

  • 書類を提出
  • 審査(2〜4週間)

ステップ5:払戻しまたは口座解約

  • 指定した口座に振込
  • または、口座を解約して現金で受取

手続きにかかる期間と費用

期間:

  • 最短:1ヶ月(書類がすべて揃っている場合)
  • 平均:3〜6ヶ月(戸籍謄本の取得、協議書の作成含む)
  • 最長:1年以上(相続人間でトラブルがある場合)

費用:

  • 戸籍謄本:1通450円×必要枚数
  • 印鑑証明書:1通300円×相続人数
  • 司法書士費用:3〜10万円(協議書作成)
  • 弁護士費用:10〜50万円(トラブルがある場合)

複数の銀行がある場合の対応

親が複数の銀行に口座を持っている場合、 すべての銀行で個別に手続きが必要です。

対策:

  • 「法定相続情報証明制度」を利用
  • これがあれば、戸籍謄本の束を各銀行に提出する必要がない

専門家に頼むべきケース

以下の場合は、専門家(司法書士、弁護士)に依頼するのがおすすめです。

司法書士に依頼すべきケース

  • 戸籍謄本の取得が複雑(本籍地が複数)
  • 遺産分割協議書の作成
  • 不動産の相続登記も同時に必要

費用:5〜15万円

弁護士に依頼すべきケース

  • 相続人間でトラブルがある
  • 遺言書の内容に不満がある
  • 相続放棄を検討している

費用:20〜50万円以上

重要ポイント

口座凍結の解除方法:

  1. 緊急時:遺産分割前の払戻し制度(1〜2週間)
  2. 正式な手続き:相続手続き(3〜6ヶ月)

どちらも、書類の準備が大変です。

事前に準備しておくことが、何よりも重要です。

次のブロックでは、事前にできる5つの対策を解説します。

事前にできる対策(予防編)

「備えあれば憂いなし」

ここまで、口座凍結の解除方法を見てきました。

しかし、正直に言うと、解除手続きは非常に大変です。

  • 書類の準備
  • 銀行窓口での手続き
  • 相続人間の調整

これらすべてを、親を亡くした直後の混乱の中で行うのは、精神的にも肉体的にも厳しいです。

だからこそ、事前の備えが重要です。

今日から始められる、5つの対策を紹介します。

対策1:葬儀費用を事前に準備する

最も重要な対策がこれです。

葬儀費用(平均200万円)を事前に準備しておけば、 口座凍結で慌てることはありません。

方法1:生命保険を活用

生命保険金は、相続財産ではありません。

受取人が指定されていれば、 相続手続きなしで、すぐに受け取れます。

おすすめ:

  • 終身保険(死亡保障)
  • 保険金額:200〜300万円
  • 受取人:配偶者または子ども

メリット:

  • 相続手続き不要
  • 死亡後、1〜2週間で受け取れる
  • 葬儀費用に充てられる

方法2:預貯金の分散

親の預金を、複数の名義に分散しておく。

例:

  • 父名義:500万円
  • 母名義:500万円
  • 子ども名義:200万円(生前贈与)

メリット:

  • 父が亡くなっても、母名義の口座は使える
  • 子ども名義の口座で、葬儀費用を支払える

注意:

  • 生前贈与は、年110万円まで非課税
  • それを超えると、贈与税がかかる

方法3:葬儀費用の事前見積もり

葬儀社で、事前に見積もりを取っておく。

メリット:

  • 費用が明確になる
  • 必要な現金を準備できる
  • 「いくら必要か」が分かる

行動:

  • 親と一緒に葬儀社を訪問
  • 事前相談(無料)
  • 見積もりを取得

対策2:家族名義の口座を準備する

親の口座が凍結されても、家族名義の口座があれば安心です。

生前贈与

親から子どもへ、生前に贈与する。

贈与税の非課税枠:

  • 年間110万円まで非課税
  • 毎年110万円ずつ贈与すれば、税金がかからない

例:

  • 10年間、毎年110万円贈与
  • 合計1,100万円を非課税で移転

メリット:

  • 相続税対策にもなる
  • 子ども名義の口座で、葬儀費用を支払える

対策3:エンディングノートと財産リストの作成

親に、エンディングノートを書いてもらう。

エンディングノートとは

エンディングノートとは:

  • 親が、自分の死後に家族に伝えたいことをまとめたノート
  • 遺言書とは違い、法的効力はない

記載内容:

  • 銀行口座のリスト
  • 証券口座のリスト
  • 生命保険の情報
  • 不動産の情報
  • 葬儀の希望
  • 遺言書の有無

財産リストの重要性

財産リストがあれば、相続手続きがスムーズになります。

リストに記載する内容:

  • 銀行名、支店名、口座番号
  • 残高(概算でOK)
  • キャッシュカードの保管場所
  • 通帳の保管場所

行動:

  • 親と一緒に、財産リストを作成
  • 年1回、更新する

対策4:家族信託の活用

家族信託とは:

  • 親が元気なうちに、財産の管理を子どもに託す制度
  • 親が認知症になっても、子どもが財産を管理できる

家族信託のメリット

メリット1:口座凍結を回避

  • 信託口座は、親が亡くなっても凍結されない
  • 子どもが管理しているため、すぐに使える

メリット2:認知症対策

  • 親が認知症になっても、子どもが財産を管理できる
  • 成年後見制度より柔軟

メリット3:相続税対策

  • 生前から財産を移転できる

家族信託の費用

初期費用:

  • 公証人費用:5〜10万円
  • 司法書士費用:30〜50万円
  • 登記費用:5万円前後

合計:40〜65万円

ランニングコスト:

  • 信託口座の管理費:年1〜2万円

家族信託が向いている人

  • 財産が多い(3,000万円以上)
  • 認知症のリスクがある
  • 事業を経営している
  • 不動産を多く持っている

対策5:銀行の「代理人届出制度」の利用

代理人届出制度とは:

  • 親が元気なうちに、子どもを「代理人」として登録
  • 代理人は、親に代わって口座を操作できる

メリット

メリット1:親の承諾があれば、子どもが引き出せる

  • ATMでの引き出し
  • 窓口での引き出し

メリット2:緊急時に便利

  • 親が入院中でも、子どもが生活費を引き出せる

注意点

注意1:親が亡くなったら、代理権は消滅

  • 口座は凍結される
  • 代理人でも引き出せなくなる

注意2:銀行によって制度が異なる

  • すべての銀行にあるわけではない
  • 事前に確認が必要

なお、名義人の認知機能低下が疑われる場合も、銀行側の判断で口座が制限・凍結され、代理人カードも使えなくなるケースがあります。

やってはいけないこと

事前対策も重要ですが、「やってはいけないこと」もあります。

NG1:無断で引き出す

親が亡くなった後、キャッシュカードで無断で引き出す。

リスク:

  • 「単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなる
  • 他の相続人とトラブルになる
  • 最悪の場合、刑事事件(窃盗罪)になる可能性

結論:絶対にやってはいけません。

NG2:親の死亡を銀行に隠す

親が亡くなったのに、銀行に伝えず、口座を使い続ける。

リスク:

  • 後から発覚すると、遡って凍結される
  • 引き出した金額を返還しなければならない
  • 信用を失う

結論:正直に伝えましょう。

NG3:暗証番号を変更する

親の口座の暗証番号を勝手に変更する。

リスク:

  • 不正アクセスとみなされる
  • 刑事事件になる可能性

結論:絶対にやってはいけません。

今日からできるアクション

アクション1:親と「お金の話」をする(今週)

  • 銀行口座のリストを作る
  • 生命保険の有無を確認
  • エンディングノートを勧める

アクション2:葬儀社で事前相談(今月)

  • 葬儀費用の見積もりを取る
  • 「いくら必要か」を把握

アクション3:生前贈与を検討(今年)

  • 年110万円まで非課税
  • 子ども名義の口座に移す

重要ポイント

事前にできる5つの対策:

  1. 葬儀費用を事前に準備(生命保険、預貯金の分散)
  2. 家族名義の口座を準備(生前贈与)
  3. エンディングノートと財産リスト(情報の整理)
  4. 家族信託の活用(認知症対策)
  5. 銀行の代理人届出制度(緊急時の対応)

やってはいけないこと:

  • 無断で引き出す
  • 死亡を隠す
  • 暗証番号を変更

「備えあれば憂いなし」です。

今日から、できることを始めましょう。

まとめ:親の口座凍結に備える──知識と準備が家族を守る

親が亡くなると、銀行口座は凍結されます。

この事実を知らずにいると、葬儀費用が払えない、生活費の引き落としができない、相続税の納付が間に合わない、といった深刻な事態に陥ります。

しかし、知識と準備があれば、慌てることはありません。

この記事のポイント

1. 口座凍結の仕組み

  • 銀行が「死亡の事実」を知った時点で凍結
  • 凍結されると、引き出し・引き落とし・振込すべて不可
  • 解除まで平均3〜6ヶ月

2. 口座凍結で困ること

  • 葬儀費用が払えない(平均200万円)
  • 生活費の引き落としができない
  • 相続税の納付期限に間に合わない
  • 兄弟間のトラブル

3. 解除する方法

  • 緊急時:遺産分割前の払戻し制度(上限150万円、1〜2週間)
  • 正式手続き:相続手続き(3〜6ヶ月)
  • 必要書類:戸籍謄本、遺産分割協議書など
  • 専門家(司法書士、弁護士)の活用

4. 事前にできる対策

  • 葬儀費用の事前準備(生命保険、預貯金の分散)
  • 家族名義の口座準備(生前贈与)
  • エンディングノートと財産リスト
  • 家族信託の活用
  • 銀行の代理人届出制度

5. やってはいけないこと

  • 無断で引き出す(単純承認、トラブルのリスク)
  • 死亡を隠す(後から発覚すると問題)
  • 暗証番号を変更する(不正アクセス)

今日から始める3つのアクション

アクション1:親と「お金の話」をする(今週)

銀行口座のリストを作り、生命保険の有無を確認。 エンディングノートを勧めましょう。

アクション2:葬儀社で事前相談(今月)

葬儀費用の見積もりを取り、「いくら必要か」を把握。 事前に準備すれば、慌てることはありません。

アクション3:生前贈与を検討(今年)

年110万円まで非課税で贈与できます。 子ども名義の口座に移し、緊急時の備えに。

最後に

親の口座凍結は、「知らなかった」では済まされません。

40代・50代は、親の高齢化に直面する世代です。

「その時」は、突然やってきます。

でも、知識と準備があれば、冷静に対応できます。

今日から、備えを始めましょう。

「備えあれば憂いなし」です。

この記事が、あなたとあなたの家族を守る一助になれば幸いです。

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では、またね〜