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バフェット流「内在価値」の計算方法|3ステップで見極める買い時の株【初心者】

シルスプのブログにようこそ

「株価が安くなってる!今がチャンス!」

会社の同僚(45歳)が2021年に
とある人気ハイテク株を購入しました。

株価:5,000円
「みんな買ってるし、まだ上がる」

しかし、2022年に暴落。
株価:1,500円(70%下落)

「なんで…高値で買っちゃった」

彼の間違いは何だったのか?

それは、株価だけを見て判断したことです。

 

なぜ「株価」だけを見て投資をすると失敗するのか?

株価を見て「安い・高い」で判断していませんか?

バフェットならそれを

“値札だけ見て中身を確かめずに買い物をするようなもの”

と言うはずです。

投資で本当に大事なのは、値札ではなく”中身”、
つまり企業が持つ「内在価値」です。

内在価値とは、ざっくり言えば
「その企業が将来生み出す現金の合計」のこと。

もし今の株価がこの価値よりずっと安ければ、
それは魅力的な”買い時”。

今回は難しい数式ナシで、
バフェット流「内在価値」を
3ステップでやさしく見ていきましょう。

【この記事で分かること】
✓ 内在価値とは何か(1分で理解)
✓ オーナー利益の見つけ方(STEP1)
✓ 企業の「堀」の確認方法(STEP2)
✓ 超シンプル計算式(STEP3)
✓ 実際の企業での計算例

STEP 1:企業の「利益」に注目する。オーナーの視点で「手取り」を把握

最初のステップは、
その企業が1年間で実質的にいくら稼いでいるかを知ることです。

ここでバフェットが重視するのは、会計上の「純利益」ではなく、
「オーナー利益」です。

【オーナー利益とは?】

純利益:会計上の利益(帳簿の数字)
オーナー利益:実際に懐に残るお金(現金)

難しい計算は一旦置いておき、初心者はまず

「営業キャッシュフロー」−「設備投資額」

に注目しましょう。

難しく聞こえますが、
つまり”実際に懐に残るお金”をイメージすればOKです。

これが、会社が事業を継続した上で
自由に使える「本当の手取り(フリーキャッシュフロー)」です。

 

【具体例:A社の場合】

■決算書の数字

営業キャッシュフロー:150億円
(事業で稼いだ現金)

設備投資額:50億円
(工場や設備の更新に必要な支出)

オーナー利益 = 150億円 − 50億円 = 100億円

この100億円が、
株主に配当として払ったり、新規事業に投資したりできる
「自由になるお金」です。

【ここがポイント】

✓ 「純利益」ではなく「営業キャッシュフロー」を見る
→ 会計のトリックに騙されない

✓ 設備投資を引く
→ 事業を維持するのに必要な支出を考慮

✓ 結果が「オーナー利益」
→ これが内在価値の源泉

ビジネスパーソンの皆さんなら、
自分の会社の利益が全て投資に回らなければならないものか、
あるいは自由にお金が残る体質か、
イメージがつくはずです。

この「自由になるお金」が内在価値の源泉になります。

【どこで数字を調べる?】

■上場企業の決算書
→ 各社のIRページ(投資家向け情報)

■決算短信の「キャッシュ・フロー計算書」
→ 「営業活動によるキャッシュ・フロー」
→ 「投資活動によるキャッシュ・フロー」の設備投資部分

初心者は、まず
「Yahoo!ファイナンス」や「株探」などのサイトで
「キャッシュフロー」の項目を確認してみましょう。

STEP 2:将来の利益を見積もる。永続的に稼ぎ続ける「お城と堀」の確認

次に、その「手取り」が将来も続くかどうかを考えます。

バフェットはこれを、
素晴らしいビジネスという「お城」と、
競合を寄せ付けない「堀(モート)」があるか、
と表現しました。

【堀を見極める3つの質問】

■質問1:強力なブランドがあるか?

例:コカ・コーラ
→ 世界中で認知されたブランド
→ 「コーラといえばコカ・コーラ」

例:Apple
→ iPhoneの圧倒的なブランド力
→ ファンが他社製品に乗り換えない

✓ ブランドが強ければ、価格競争に巻き込まれない

■質問2:他社に乗り換えるコストが高いか?

例:Microsoft
→ Windowsから他のOSに乗り換えるのは大変
→ Officeも同様

例:鉄道会社
→ 一度敷いた線路は他社が真似できない

✓ スイッチングコストが高ければ、顧客を独占できる

■質問3:圧倒的にコストが安いか?

例:ウォルマート(アメリカの小売)
→ 大量仕入れで圧倒的な低価格

例:トヨタ
→ 生産効率の高さでコスト競争力

✓ コストリーダーになれば、価格競争で勝ち続けられる

【堀がない企業の例】

✗ 飲食チェーン店(一部除く)
→ 簡単に競合が参入できる

✗ 汎用品メーカー
→ 価格競争に巻き込まれる

✗ 技術がすぐ陳腐化する業界
→ 常に新技術開発が必要

もし「10年後もこの会社は今と同じ、
あるいはそれ以上に稼いでいる」と確信できるなら、
計算は簡単になります。

初心者のうちは、利益が「成長する」と欲張らずに、

「今の利益が少なくとも10年は続く」

と保守的に見積もるのが失敗しないコツです。

【自分でチェックする方法】

気になる企業について、以下を自問してください:

□ この企業の商品・サービスを、私は10年後も使っているか?
□ この企業の競合が簡単に真似できないものは何か?
□ もし自分がライバル企業の社長なら、この会社に勝てるか?

1つでも「NO」があれば、
その企業は「堀が弱い」可能性があります。

STEP 3:割引率で現在の価値に直す。超シンプル版「バフェット式」計算シミュレーション

最後に、将来の利益を合算します。

本来は「割引率」という専門的な概念を使いますが、
初心者向けの超シンプル版なら以下の計算で「目安」が出せます。

【超シンプル内在価値シミュレーション】

内在価値 = 年間のオーナー利益(手取り) × 10年 ~ 15年

例えば、毎年10億円の自由なお金を生む企業なら、
内在価値は100億〜150億円と見積もります。

【実際に計算してみよう:B社の例】

■STEP1で確認した数字

営業キャッシュフロー:150億円
設備投資額:50億円
オーナー利益:100億円

■STEP2で確認した堀

✓ 強力なブランドあり
✓ スイッチングコストが高い
✓ 10年後も稼いでいると確信

→ 堀が強いので、15年分で計算

■STEP3:内在価値の計算

内在価値 = 100億円 × 15年 = 1,500億円

【安全域(バッファ)を設ける】

これに「安全域(余裕)」を持たせるのがバフェット流。

計算した価値の「3割〜5割引き」の価格で
市場に売られていれば、それは絶好の買い場となります。

■安全域30%の場合
1,500億円 × 0.7 = 1,050億円

■安全域50%の場合
1,500億円 × 0.5 = 750億円

【買い時の判断】

現在の時価総額(株価×発行済株式数)を確認:

■ケース1:時価総額が800億円
→ 1,050億円より安い!
→ 安全域30%でも「買い」

■ケース2:時価総額が1,200億円
→ 1,050億円より高い
→ もう少し株価が下がるのを待つ

■ケース3:時価総額が600億円
→ 750億円より安い!
→ 安全域50%でも「買い」
→ 絶好の買い場

【注意点】

⚠️ この計算は「目安」です

・業界によって適切な倍率は異なる
・成長企業なら15年以上で見積もることも
・衰退産業なら10年以下にすべき

⚠️ 最も重要なのは「保守的」であること

迷ったら、短めの年数(10年)で計算し、
大きめの安全域(50%)を設けましょう。

間違った場合のダメージを最小化することが
バフェット流の本質です。

 

【練習問題】

あなたが気になる企業で計算してみましょう:

1. その企業のオーナー利益は?
(営業CF − 設備投資)

2. 堀は強い?
(10年後も稼いでいると確信できる?)

3. 内在価値は?
(オーナー利益 × 10〜15年)

4. 安全域を設けた買い時の価格は?
(内在価値 × 0.5〜0.7)

5. 現在の時価総額は?
(株価 × 発行済株式数)

買い時の価格より現在の時価総額が低ければ、
検討する価値があります。

【初心者がやりがちな3つの間違い】

■間違い1:「純利益」で計算してしまう

✗ ダメな例:
純利益100億円 × 15年 = 1,500億円

✓ 正しい例:
営業CF150億円 − 設備投資50億円 = 100億円
100億円 × 15年 = 1,500億円

なぜダメ?
純利益は会計上の数字で、実際の現金とは異なります。
「減価償却」などの非現金項目が含まれているため、
実際に手元に残るお金ではありません。

■間違い2:安全域を設けない

✗ ダメな例:
内在価値1,500億円
時価総額1,400億円
→ 「安い!買おう!」

✓ 正しい例:
内在価値1,500億円
安全域30%:1,500億円 × 0.7 = 1,050億円
時価総額1,400億円
→ 「まだ高い。待とう」

なぜダメ?
内在価値の計算は完璧ではありません。
予想が外れることを前提に、
十分な余裕(安全域)を持たせる必要があります。

■間違い3:成長を過度に期待する

✗ ダメな例:
「この企業は毎年20%成長するはず!」
→ 20年分、30年分で計算

✓ 正しい例:
「今の利益が10年は続くだろう」
→ 10〜15年分で保守的に計算

なぜダメ?
将来の高成長を前提にすると、
期待外れだった時のダメージが大きくなります。

バフェットは「成長は、あればラッキー」
という考え方です。

【まとめの文章】内在価値を知ることは、投資の「羅針盤」を持つこと

本記事では、初心者でもできる
「内在価値」の見極め方を3ステップで解説しました。

【3ステップの振り返り】

✓ STEP1:自由に使える現金(オーナー利益)を把握する
→ 営業CF − 設備投資

✓ STEP2:利益が続く理由(お城と堀)を確認する
→ ブランド、スイッチングコスト、コスト優位性

✓ STEP3:利益の10〜15年分から安全域を設けて内在価値を求める
→ オーナー利益 × 10〜15年 × 0.5〜0.7

【今日からできる3つのアクション】

□ アクション1:気になる企業の決算書を見る
→ Yahoo!ファイナンスで「キャッシュフロー」を確認
→ 営業CFと設備投資の数字をメモ

□ アクション2:その企業の「堀」を考える
→ 3つの質問(ブランド、スイッチングコスト、コスト優位性)
→ 10年後も稼いでいると確信できるか?

□ アクション3:超シンプル計算式で内在価値を試算
→ オーナー利益 × 10〜15年
→ 安全域30〜50%を設ける
→ 現在の時価総額と比較

これが、自分だけの「買い時」を見極める羅針盤になります。

株価の波に一喜一憂する投資から、
企業の価値を買う投資へ。

自分なりの物差しを持つことで、
あなたの資産形成はより盤石なものになるはずです。

【計算は「正確さ」より「保守的」であることに意味がある】

内在価値の計算に「唯一の正解」はありません。

バフェット自身も
「細かく計算しすぎるよりも、大まかに正しい方がいい」
と述べています。

大切なのは、数字をピタリと当てることではなく、
「自分なりの物差しを持つこと」です。

物差しがあれば、
市場がパニックで暴落しても
「内在価値よりずっと安いから大丈夫だ」
と冷静にホールドできます。

40〜50代の皆さんが持つ「ビジネスの審美眼」を活かし、
まずは身近な企業の「手取り」と「堀」を観察することから
始めてみてください。

【次回予告】
次回は「バフェットが実際に投資した企業の分析」
コカ・コーラ、Apple、アメリカン・エキスプレスなどを
解説します。

では、またね~